名探偵コナン あの方 考察 7 シルバーブレット
どーも、こめつぶです。
前回の「組織の目的」の延長でもありますが、癌治療の一つに分子標的薬というものがあり、癌細胞の持つ特異性質を分子レベルでとらえ、それを標的として効率よく作用するように作られた薬。
癌細胞を狙って作用する為、副作用をより少なく抑えながら治療効果を高めると期待されている。
ただし、その標的薬の一つイレッサは、日本でも実際、副作用で死者が相次いで問題にもなった。
奇しくもイギリスが開発し、世界に先駆けて日本で承認された分子標的薬。
「証拠の出ない薬」とは、もしかしてこういう意味なのかも。
そもそも殺す為の薬ではなく治す為の薬だから、毒物は使われていないみたいな。
漫画的にも、この薬がもし完璧に癌細胞という標的に当たり、完全に癌という黒い悪魔を消してくれたら、銀の弾丸と名付けるのかもしれない。
ただ、そんな理想の薬を作る為には、沢山の犠牲も必要だし、認可なんかされない。
無茶してれば医学会からも追放。
きっと、その無茶をしてるのがコナンのあの方。
それらをコナンに照らし合わせると、宮野夫妻が出てくるけど、これはフェイク。
というか、論理的に繋がらない。
あくまで仮の想定ではあるけど、前回私が自分で言ってた話と、現状のコナンシナリオとリンクさせるなら、あの方に最愛の子がいて亡くなってるような状態が一番望ましい。
でも、宮野夫妻の子は色々微妙ではあるが、それは現在の話。
半世紀前に行動する事ではない。
考えられるのは、ベルモットの子というのが一つの可能性。
敵にしては子供に愛情深く見えるし、「私には、エンジェルは微笑んでくれなかった」と、嘆いている。
基本現状の推理には限界があるので、あくまで一般的にだが、天使が微笑んでくれるという表現を女性がする場合年上より年下、子供の確率が高い。
もう一つ考えられるのは、その逆、薬が原因でベルモットは子供が産めない可能性。
例えば、あの方は、ある女性との子を生き返らせようとしているが、それがあまりに狂気の沙汰なので、自分も実験に協力してきたが、いつか諦めさせて楽にしてあげたいと思っている。
自分と子を授かり、新しい命で幸せになれたら理想だったが、産めない体と知る。
これがもしあの方の為とは言え、開発途中の人体実験副作用だったとしたら、製作者エレーナを殺したいほど恨む理由にはなる。
当然、それを続ける娘も。
その根拠の一つに、哀ちゃんの言うテロメラーゼには、体細胞活性効果もあるが、人体では、生殖細胞も活性が認められているのが事実。
生殖細胞は無限に分裂することができ、不死の細胞と言える。この不死性には、テロメアの長さの維持が関与している。
とういう事実から、エレーナの開発途中の薬が制御しきれず、ベルモットの体に不死細胞が影響し漫画的に不死状態に、更には不妊という結果が出てしまったと状況的に考える事も出来る。
コナンが小さくなってる以上、不死細胞やテロメラーゼ活性など、ある程度の根拠があれば、漫画として不死キャラもナシじゃない。
それだって偶発的なものと思われるし、あの方も危険を冒し目的と違う薬を自ら飲む必要もない。
エレーナの「サヨナラしなきゃならないの」というセリフは「死ななきゃならないの」のわけもない。
技術に目を付けた組織の引き抜き、あるいは断れない相手の所に行くと考えられる。
そして、今更プロフェッショナルたちが火事起こすとも考えにくい。
伏線もあるし、燃やすのが得意のベルモットが単独行動で消したと思われる。
ただ、その前に本来あれだけ優しいのだから、ある時期、事実を知り様々な責任を感じたエレーナがノイローゼになり大胆にも自ら火を放つかもしれない。
ヘルエンジェルと呼ばれたのは、あくまで火を放って亡くなった後の可能性が高い。
随分昔の話だろうし、沢山の死人が出てる事実からしたらそりゃ地獄行きだろうと言われる。
厚司もきっとそれを庇おうとするから、ともに燃えた可能性は高い。
あのクール哀ちゃんも思い込んだりショックを受けると、人が変わったように思考停止したり、後先考えず小五郎とストーカー的異常行動もする。
それは、真純の截拳道のよう、世代を超え親子似るみたいな伏線とも取れるし、普通に新一然り、子は親に似ておかしくない漫画。
という事は、逆に「子に親も似てる」という事。
女のドロドロみたいな会話もあったし、もしかしたらエレーナとベルモットで男の取り合いなんかがあったのかもしれない。
その流れでベルモットへの薬の実験を黙認し、ベルモットも決着として娘の命を狙っているという女のドロドロドラマがあるのかもしれない。
とにかく夫妻はボスではない。
その根拠は、まず時間軸が合わない事。
引き抜かれた立場や、誰かを生き返らせようとするには、スタート地点が合わない。
そして、誰であろうと生き返らせたいなら一番可能性が高いのは家族。
そんな異常な程、愛に執着してる親なら、どう変貌しようと子を殺させない。
つまり、もう一つ上の立場の人物たちがNo.1と2だと思われる。
ベルモットは、燃やしても良い立場だったけど燃やさない。
組織の連中は引き抜いてるんだから燃やすわけもない。
そして、ただの事故ではつまらない。
薬のせいで沢山の人が死んでいた事実を知り、何考えてるかわからない程、ノイローゼになったエレーナ以外に責任取りえないし、漫画的にも一番ドラマチックになる。
その上の好手もないし、「やっぱりこれが真実だったろ」と灰原の両親は良い人でまとまれるので、漫画的にも収まりがいい。
じゃなきゃ「バーロー・・・ただの噂だろ?勝ってに決めつけてんじゃ」が全く無意味になり、バーローはお前だとなってしまう。
流石に漫画的にも主人公的にも青山さん的にもそれはない。
とまあ、見ての通り、これは決定的な証拠を持つ推理ではなく、不可能を潰し数あるルートからより可能性の高いものを選択し続け、その中の自分で考えられる最善の手がこれかなという将棋的な考え方。
そうでもしないと最後の最後ギリギリまで決定的な証拠なんて出ない。
そこへ一歩踏み込むなら「不可能を除外する」のは勿論、「有り得ないけど不可能じゃない」側からも絞り込むのが重要で、部分的にも2つが重なれば確かめ算のように、より可能性は高まるし、それにより新しいヒントも見つかると思います。